算数の成績を上げる最強の勉強法

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中学受験で重要な科目といえば、やはり算数ですよね。
特に男子校のトップ校では、算数が合否を分けると言っても過言ではありません。

この記事ではそんな算数の成績の上げ方を惜しみなくお伝えします。

この記事はこんな方にオススメ

・算数の成績を上げたい方
・算数の全体像を知りたい方

算数で重要な4つの力

算数の成績を上げるための4つの重要な力があります。

それは、計算力、基礎力、応用力、注意力です。

このそれぞれの能力について、詳しく見ていきましょう。

計算力

まずは、計算力です。

計算力はそのままで、いかに計算を速く正確にできるかという能力です。

入試の算数では、答えを出すまでに多くの計算をする必要があります。そのため計算力があると、純粋に解くスピードが上がりますし、計算ミスも少ないので大きな強みになります。

基礎力

次は、基礎力です。

これは、いわゆる中学受受験特有の典型問題を、解きこなす能力です。

つるかめ算や、ニュートン算、割合や比など、中学受験の算数は独特な典型問題がたくさんありますよね。この典型問題に対して、「解き方理解していて、見た瞬間に手が動くかどうか」というのがポイントです。

この基礎力が完璧であればあるほど、受験期後半の成績の伸びが大きく変わってきます。

応用力

次は、応用力です。

応用力とは、初めて解く問題を基礎的な知識を用いて解く力です。

これは、正直難関校を目指さないのであれば、そこまで重要ではありません。しかし、灘や筑駒や開成と言った最難関校では、解いたことのない独創的な問題も出題されます。このような問題では、いかに知っている問題に落とし込んで解くことができるか、という力が問われます。

応用力は、難関校であればあるほど高い比重で求められる力なのです。

注意力

最後は、注意力です。

これは読んで字の如く、注意する力です。

算数に限った話ではありませんが、試験では能力的には解くことのできる問題も、細かなミスで間違えてしまうことがあります。問題文の読み間違えや答えるものを間違えたりなど、注意力が低ければ解けている問題ですら落としかねません。

注意力は、最も点数に直結する能力といっても過言ではないということです。

それぞれの勉強法

ここからはそれぞれの能力別に、勉強法を見ていきましょう

計算力

まずは、計算力です。

計算力を伸ばすためには、3つのポイントを押さえる必要があります。
それは、速度・工夫・知識です。

速度

まず、速度です。

これは計算速度という意味で、四則演算を正確に計算する速さのことです。

これを伸ばすためには、シンプルに量をこなすことが大切です。計算は筋トレのようなものです。毎日コツコツ積み重ねることによって、少しずつ速くなっていくのです。

なので大切なのは、毎日行うことです。

でも毎日するというのは、なかなかうまくいかないですよね。そのためには、習慣化することが大切です。

ぜひ寝る前や朝起きてご飯を食べるまでの間など、決まった時間に計算をする習慣を作ってください。
慣れるまでは大変と感じると思いますが、1ヶ月ぐらい頑張ると慣れてきてルーティーンになります。

工夫

次は、工夫です。

これは計算の工夫という意味で、計算をする時の細かな工夫のことです。

いわゆる飛び抜けて計算力がある人というのは、この能力が高いです。算数の講師は、計算速度がべらぼうに速いというわけでもないのです。

どちらかというと、この工夫する術をたくさん持っていると考えてください。

簡単な例ですが、16+73+84−23という計算問題があったとします。

この計算をするときに、先に16+84を計算して100にして、次に73−23を計算して50にして、100+50を計算して150にするということです。
このように計算する順番を工夫すると、計算を簡単にしてミスを減らすことができます。

こういった工夫は授業の解説の時に先生がよく説明しています。算数の先生が使っているテクニックは見逃さないようにしましょう。
ちなみに家庭学習で工夫する力を身に付けたいのなら、出る順の計算問題集がおすすめです。5、6年生の方は、ぜひチェックしてみてください。

知識

3つ目は、知識です。

これは計算の工夫という意味で、計算をする時の細かな工夫のことです。

計算にも、ある程度知っておいた方が良いことがあるんです。
もっとも簡単な例は、九九ですよね。九九を知っていなければ、算数の問題を解くことはできません。これは極端な例ですが、中学受験においても覚えておくべき常識の計算がいくらかあります。

例えば、円周率の計算としてよく出てくる3.14×1~9は絶対に覚えておいた方が良いですし、同じ数を2回掛け合わせた平方数も11×11~19×19までは覚えておくべきです。

もちろん覚えるべき内容というのは塾の先生によって変わりますが、少なくともこの2つは知っておくべき知識です。
もし5・6年生で覚えていなかった場合は、ネットで調べれば表が出てきますので、印刷して覚えておくことをオススメします。もちろん塾の先生に聞くのも良いかもしれません。

またこういった算数に必要な知識についてはYouTubeでも公開していますので、気になる方はぜひそちらもご覧ください。

基礎力

続いては、基礎力です。

基礎力があるというのは、算数特有の典型問題の解き方を完全に使いこなせるということです。

これを伸ばすためには、「理解する」→「練習する」という2つのステップを経る必要があります。

理解する

もちろん、つるかめ算や旅人算のような典型問題を反射的に解けるのは重要です。しかしその前提として、「なぜその解き方をするのか」という理解が重要です。そうでないと少し捻られただけでも解けなくなりますし、応用問題など歯が立ちません。

この基礎力を伸ばすためには、授業中にしっかり先生の説明を聞き、その考え方を忘れないうちに復習することが大切です。

もし忘れてしまったら、分からないままにするのではなく質問してください。これによって思い出すことができ、今まで以上に解き方が定着するはずです。

また、お子さんが理解できているのか微妙な場合は、解き方を説明してみてもらってください。これによって、仮に分かっていたとしてもお子さんの中で解き方が整理されます。

練習する

解き方を理解していても、実際にそれを使いこなせないことはよくあります。

「解説が分かる」という状態と「問題を解ける」という状態は、全く異なるのです。
多くのお子さんが「解説が分かる」状態で満足してしまい、「問題を解ける」状態まで辿り着けていないのです。

なので必ず、宿題を解いて反復練習をするようにしてください。

ほとんどの塾の宿題はただの反復なので、宿題をこなしていれば問題はありません。

まとめると、基礎力には「理解する」→「練習する」という2つのステップがあり、それぞれ「授業を聞いて理解する」→「宿題で反復練習する」という2つのステップを着実にこなすことで、基礎力を伸ばすことができます。

応用力

次は、応用力です。

応用力は、初めて解く問題を基礎的な問題に当てはめる力です。

応用問題ができない子の特徴としては、全くペンが動かずにギブアップしてしまうというのがよくあります。これは難しい問題をそのまま解こうとして、まず何をしたら良いのか分からないからなのです。

応用問題というのは、基本問題の組み合わせであることが多いです。なので問題を見た時に、「この問題はあの典型問題の解き方を使うのかな?」と、基本問題へと読み替えができるかどうかなのです。

したがって応用力を伸ばすためには、基礎力がついた上でいろいろな応用問題に触れることが重要なのです。応用問題に触れていくうちに、問題の読み替えのパターンが分かってきます。その状態になって、ようやく応用問題が解けるようになります。

そして、意外と大切なのが応用問題を反復するのはそこまで効果がないということです。応用問題は同じ問題はほとんど出ません。なのでその問題のやり方を暗記したところで、使う機会が少ないので、あまり意味はないでしょう。

どちらかというと、こういう当てはめ方があるのかと理解できたら別の応用問題に取り組む方が良いです。上位のお子さんで、応用力をつけたいのであれば別で応用の問題集を購入することをおすすめします。

あと1つ注意があります。

基礎力に不安のある方は応用問題に手を出すのではなく、先に典型問題の反復演習を行ってください。

計算力と基礎力が完璧になっていなければ、そもそも応用問題を解くことはできません。なので難関校を目指す方でも、「まずは計算力と基礎力を重視して、その上で応用力を鍛えるんだ」ということを覚えていてください。

注意力

そして最後は、注意力です。

注意力は点数に直結する本当に重要な部分ですし、注意力がないことに頭を悩ませている親御さんは多いですよね。注意力がないと、いわゆるケアレスミスが非常に多いです。

算数は、ミスをする可能性のある箇所が多い科目です。そのすべてに気をつけながら問題を解き進めることができなければ、正解できません。

算数でよくあるミスは、大体4つほどです。

・計算ミス
・問題文の読み違い
・問題の要求に答えていない
・自分の字を見間違う

などです。

このようなミスは、テストを受けたら毎回のようにしてしまっていますよね。しかも、同じミスを何度も繰り返してしまうのも特徴です。

こういったミスを減らすには、間違えた時にどうして間違えたのか分析し対策することです。

よく子どもは、「どうして間違えたのか考えてごらん」と言うと、すぐに「ケアレスミス!」といいます。確かに、ケアがレスだったことによるミスなのですが、どんなケアを怠ったのかを考えなければ、全く意味がありません。なので、ケアレスミスだから仕方ないという考えを捨ててください。

そもそもケアレスミスも実力なんですよ。それを入試の本番で言うつもりですか?

もっと緊張感を持って、どうやったらケアレスミスがなくなるのか、普段の学習から細かく考えてしっかりと対策してください。問題文は二度読むとか、対策できることは多いはずです。

最強の勉強法 解き直しノート

そして、算数の成績を伸ばす最強の勉強法をお伝えします。

それは、「解き直しノート」です。

これは間違えた問題を整理して見返せるようにした、自分だけの苦手を集約したノートです。

これによって、基礎力と注意力は間違いなく身につきます。
いろいろやり方はありますが、今回は最もオーソドックスなものを説明します。

使うのは、A4のノートがおすすめです。

まず、左上に問題を貼りましょう。
そして、左下に解答解説を貼ります。

その時に必ず、なぜ間違えたのかも書いておいてください。これを書くことによって、ミスの分析をしたことになります。

右ページは、解き直しのスペースになります。2回目を解きたいときは右ページの上に紙を貼り付けてそこに解き直していくイメージです。

この解き直しノートは、作るだけで終わってしまっては意味がありません。

必ず見直すようにしてください。

1週間のうちに1回は見直しましょう。そして月ごとの組分けのテストなど、まとめて復習したいときにもう一度見直しましょう。

まとめると、間違えた問題を集約して完璧にすれば効率良く苦手を潰せるので、とても効果的だということです。

これを算数の典型問題の全てで行うことによって、確実に基礎力が身につきます。

そしてミスの原因をしっかり明記することによって、試験前にどんなミスをしやすいのかもまとめて見ることができます。

ぜひ、実践してみてください!

まとめ

それでは記事の内容を簡単にまとめましょう。

まず算数の成績をあげるためには、4つの力を鍛える必要があるということでした。

それは、計算力、基礎力、応用力、注意力です。

算数の成績はこれを順番に鍛えていくことで、目に見えた成果が出ます。

では、それぞれどのように伸ばしていくのか。

まずは計算力です。
計算力は、速度と工夫と知識という3つのポイントがありました。

計算練習は毎日行う。授業中は先生の計算の工夫を見逃さない。計算の知識は、調べてまとめて覚えておく。

そして、基礎力です。
基礎力は、「理解する」「練習する」というのがポイントでした。

「分かる状態」から「解ける状態」にしなくてはいけません。なのでまずは解法を理解して、それを反復練習するという流れが重要です。その中でわからない問題があったら質問する。人に説明することで、より理解が深められるというのも覚えておいてください。

次は、応用力です。
応用力は、基本問題の解法に当てはめる力が重要でした。

これを得るためには、様々な問題の読み替え方を知る必要があります。なので、いろいろな応用問題に触れることが重要だということでした。

最後は、注意力です。
これは、なぜそのミスをしたのか分析して対策することが重要でした。

ケアレスミスだから仕方ないという考えは、今すぐにでも捨ててください。

そして算数の成績を伸ばすのに最適な方法として、解き直しノートを紹介しました。

自分の苦手な問題が集まったノートを完璧にすることで、効率よく算数の基礎力を固めることができます。やっていない方はぜひ試してみてください。

皆さんの算数の成績が上がることを祈っております。

最後まで読んで頂きありがとうございました。