春休みにできる新学年対策の勉強法

この記事は約8分で読めます。

中学受験塾では2月や3月で新学年になり、通塾頻度や授業時間、宿題の量、難易度が一気に変わりますよね。そんな中で春休みは、どうしても何して良いか分からずゆっくりしてしまいがちです。

この記事ではそんな春休みにどんな勉強をすべきかサクッとお伝えします。

この記事はこんな方にオススメ

・春休みに何をすれば良いか分からない方
・新学年へ向けて最高のスタートを切りたい方

週間スケジュールの見直し

まずやらなくてはいけないことは、週間スケジュールの見直しについてです

週間スケジュールとは、塾や家庭で決めている毎週の勉強スケジュールのことです。

2、3月を過ごしてみて、スケジュール通りに勉強を進められずに悩んでいる方は少なくないと思います。毎日塾の宿題に追われて、ストレスが溜まっているお子さんも多いでしょう。

そのためにも、まずは塾から与えられた宿題を取捨選択することが重要です。

もちろん塾から与えられた宿題をやり切らないと、不安になるのは分かります。
しかし塾側の心理として、親御さんを納得させるために宿題の量を少し多めに設定している側面もあります。なので、「塾の宿題を全てこなさないといけないんだ」という考えは一旦置いておきましょう。ご家庭によってお子さんの習い事や勉強への耐性は異なるので、宿題を全て完璧にやり切る必要はないのです。

そして新学年の生活を考えると、まずはやり切れるスケジュールを作ることが重要です。
この学習スケジュールをもとに生活していくわけなので、

そしてそのための大切なポイントが、実力に見合った問題を完璧にするということです。

この考えに基づいて、無理にこなす必要のない宿題を順にお伝えすると

・実力にそぐわない問題
・一度できた問題
・重複している問題

の3つです。

この3つについて、具体的に説明していきます。

実力にそぐわない問題

これは言葉通り、明らかに実力に見合っていない問題のことです。

実力に合っていない問題を解けるようにするには、かなりの労力がかかります。1つの問題を理解するために、2個も3個も新しい知識を理解しなければいけない状況を考えると、とてもやってはいられません。

なので、解説を読んでも理解できない問題は解く必要はありません。

たとえ宿題として出されていても、そこは割り切って飛ばしてしまってください。解説を読んでも分からない以上、それは仕方のないことです。中学受験塾のカリキュラムは、同じ内容を何度も勉強するようになっているので、次の機会に取り組めば良いのです。幸いなことに、まだ1年以上あるわけですから。

一度できた問題

次は、一度できた問題についてです。

まっさらの状態で宿題に取り組んだときに自力で合っていた問題に関しては、何度も解く必要はありません。もう見送ってしまってください

たしかに1回できた問題をもう一度解かせてみると、またできなくなっていることはよくあります。実際に定着させるという意味では、同じ問題であっても何回も解くことが理想的です。

しかしそもそも他の問題を一度も解かずに終わってしまい、内容を網羅することができないことの方が問題です。まずは、確実に終わるスケジュールでやっていきましょう。

重複している問題

次は、重複している問題についてです。

特に算数の宿題で、似たような問題がいくつも出されることがあります。

SAPIXではデイリーサポートに対してデイリーサピックス、予習シリーズ準拠塾では予習シリーズに対して演習問題集、というような感じです。

こういった宿題で、すべてやり切るのが難しい場合は重複している内容の教材は触れずに、メインの教材の中で間違えた問題を完璧にすることを優先させてください。

もちろんメインの教材で間違えた問題の復習として、重複した内容の教材を使うのは良いと思います。

4月までの復習

次は、4月までの復習というテーマです。

これは、新学年以降の2、3月の内容を復習するということです。
2、3月はてんやわんやで宿題も満足にできていないという方には、ぜひやっていただきたいことです。

しかし、2ヶ月の内容をたった2週間ですべて復習するのは難しいでしょう。

なので、ここまで習った各科目の内容から苦手な単元を絞って取り組んでください。

2、3月の内容でそこまで不安がない場合やそれよりも苦手な単元が明確にわかっている場合は前の学年の内容で苦手だった単元に取り組んでみてください。塾の教材を解き直すでもかまいませんし、市販の問題集で該当範囲を解くのでも大丈夫です。

とはいえ春期講習もある中でできるのは、各科目の苦手単元2、3個ずつぐらいだと思うので、しっかり絞って苦手を狙い撃ちするようにしてください。

参考までに学年ごとにワンポイントアドバイスをさせてください。

新4年生

4年生については、とにかく算数の計算です。

筆算の書き方や余白の使い方まで含めて、今後の学習の基礎になるのでしっかり見直しておきたいところです。特に、算数の勉強法についてはこちらの記事が参考になるかと思います。

新5年生

5年生は、割合を確実に見直しておいてください。

まだ取り組んでいない方は、社会の白地図なども取り組みやすい苦手対策です。そのほかの科目は苦手単元を洗い出してしっかり復習してください

新6年生

6年生については、算数・理科自分自身の苦手単元を潰すようにしてください。

ここで苦手単元をひとつでも潰しておくと、後々の成績に効いてきます。一度まとめて復習していれば、次に出てきたときに思い出しやすくなるわけです。

また、社会は歴史のざっくりした復習がおすすめです。

年表を作ったり、年表に穴埋めするようなトレーニングをしてみてください。

新6年生に取り組んでほしいこと

ここからは新6年生の保護者向けの話になりますが、5年生以下の保護者の方も知っておいて損はないです。

新6年生にやってほしいことは、志望校の選定、受験学年としての意識付け、遊ぶという3つになります。

志望校の選定

1つ目は、志望校の選定です。

春休みで志望校を確実に決め切る必要はありません。ただじっくり志望校選びができるのは、せいぜい夏〜秋ぐらいまでです。まだじっくり考えられるうちにどのような学校が良いのかを、お子さんとご両親の間で話し合う時間を取っていただきたいです。特に併願校も見据えて幅広い偏差値帯から、志望校の候補を選定していただきたいです。

4月に入るとまた学校説明会もスタートしますから、春休み中にある程度決めたコンセプトをもとに説明会やイベントに足を運んでください。そうすれば夏までにある程度志望校が見えてきて、学校選びとしては良い準備ができます。

学校選びについて不安がある方は、YouTube動画にまとめてありますのでそちらをご覧ください。

受験学年としての意識付け

2つ目は、受験学年としての意識付けです。

新6年生の4月は、学習の習慣がついているお子さんと、そうでないお子さんが明確に分かれている時期です。これが夏休みくらいになると、どのお子さんも少しずつ勉強に身が入っていきます。

なので他と差をつけるためには、ここから夏までの時期を着実に過ごすことが大切です。

もちろんこれは4月から全力で勉強しろということではありません。4月からは受験学年として、目標のためにしっかり週間スケジュール通りにコツコツ必要なことをすれば良いのです。

保護者の方にはこの意識付けのために、志望校の選定の話し合いだけじゃなく受験学年としての自覚が必要だという話もしてあげてください。もちろん親御さんは応援する立場なわけですから、頑張ろうと元気づける感じです。

あともし余力があれば、志望校の古い過去問を1年分解くことをオススメします。

手も足も出ない可能性は高いですが、どんな問題を解くのかイメージが湧くので、勉強のモチベーションや効率化に繋がることも多いです。お子さんの成績や性格に合わせて判断してください。

遊ぶ

そして3つ目は、遊ぶということです。

これまで受験の話ばかりしてきて、急に関係のない話になったので驚くかもしれません。
ですが、6年生になると遊ぶ時間はほとんどなくなります。また、5年生の頃のように家族旅行なども行きづらくなるかと思います。

中学受験も大切ですが、それ以上に家族としての思い出も大切にしてほしいです。なので春休みの1日くらいは、気分転換にお花見をしたりどこかへ遊びに行ったりなどして、気持ちを新たに受験学年をスタートさせて欲しいです。

まとめ

それでは記事の内容を簡単にまとめましょう。

この記事では春休みの過ごし方について3つ説明しました。

まずは、スケジュールの見直しです。

塾の宿題は一旦度外視して、まずは終わる勉強スケジュールにしましょうということでした。

2つ目は、4月までの復習です。

2、3月で取りこぼした単元の復習をこなしてほしいですが、そこまで不安がない場合やそれよりも不安な単元がある場合は去年の教材で苦手な単元を潰してくださいということでした。

そして新6年生向けの話として、志望校の選定受験学年としての意識付け遊ぶ、ということをお伝えしました

春休みが終わると、新6年生は受験生という扱いになります。学校でも明確に学年が上がり、生活の緊張感が変わると思います。

皆さんが生活の変化に対応し、新学年から良いスタートを切れることを願っております。

最後まで読んで頂きありがとうございました。